TESLA

Evidential Support Logicに基づく意思決定支援ツール

 放射性廃棄物処分や二酸化炭素地下貯蔵などの環境関連プロジェクトや地下資源探査などの現代社会における意思決定の多くは,多面的な観点から問題を眺め,様々な情報や証拠を用いた高度な判断を必要とします。判断に用いる情報や証拠には曖昧なものや互いに矛盾するものが含まれていることが多く,時には一部の情報が欠けている場合もあります。また,意思決定には利害関係の異なる多様なステークホルダが参加するため,判断のプロセスと根拠が明確になっていなければなりません。

 Evidential Support Logic (ESL)は,さまざまな意思決定問題の論理構造を階層構造的なモデルとして表現し,このモデルに含まれる仮説がそれぞれどのような証拠によってどの程度支持されるのかを区間確率として評価することを通じて,このようなニーズにこたえるものです。

 QJサイエンスでは、ESLによる意思決定支援解析ソフトのTESLAを開発しています。TESLAは、考慮しなければならない多数の(ときには相反する)証拠や不確実性があるような複雑な状況を評価するための支援ツールです。その目的は、推論を支える論理と正当性を明示するとともに、生データまで遡って不確実性の所在及びその潜在的原因を適切に示すことで、システム作成者や意思決定者を支援することです。QJサイエンスでは,地層処分の長期的安全性についてのセーフティーケースの信頼性評価に適用しています。

TESLAの機能

  • 解釈やモデル化におけるデータと専門化による判断の統合
  • 定義された仮説や意思に関わる個々の証拠の十分性や相互重複性の記載
  • 評価しようとするシステムの特徴・プロセス・特性に起因する不確実性の明示
  • 感度解析による各々の特徴やプロセスの重要度の調査
  • 二者択一判断の比較解析による支持証拠・否定証拠・不確実性の序列表示
  • 対象となっている意思決定の許容レベルに対する、システムの信頼性向上・不確実性低減のためのデータ収集を目的とした費用対効果の範囲の同定

(Umeki et al., Amigo 2004より)

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