放射性廃棄物処分の安全評価技術
原子力発電によって生み出される放射性廃棄物は,その放射能レベル等の区分にしたがって,数百メートル以上の深さの地層処分施設から比較的浅い地下施設等に埋設処分されることが検討されています。人間への放射能の影響が十分小さくなるように生活圏から隔離することを基本的な考え方としています。放射性核種は時間と共に減衰していきますが,中には半減期が1万年以上の核種もあり,長い年月をかけた処分施設の劣化に伴い,放射性核種が地下水中に溶け出してくると考えられています。また,処分場の近くでの火山・火成活動や地震・断層活動などの天然事象に対しても,安全性への影響や発生確率を把握しておくことが重要です。このような長期にわたる処分施設の安全性を確認するためには,人間の被ばくに繋がる可能性のあるシナリオの構築や,シナリオに対応した安全評価モデルを用いた解析,さらには安全評価の不確実性解析といった技術が必要です。QJサイエンスはこれらの技術に関する豊富な経験と実績を備えており,これらの技術の高度化開発にも取り組んでいます。
関連する技術
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AMBER | コンパートメントタイプの生物圏物質移動・消滅の解析ソフト |
地球科学 | 地質環境・水理環境や天然事象の知見と技術 |
感度解析と不確実性解析 | システムの挙動把握や設計最適化,リスク評価等の基盤となる技術 |
TESLA | Evidential Support Logicに基づく意思決定支援ツール |
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