破壊力学解析

 破壊力学は、亀裂等の欠陥のある材料の破壊現象を定量的に取り扱う工学的手法の1つで、20世紀の半ばの第2次世界大戦の頃から研究が盛んに行われるようになりました。当初は、ガラスのような脆性材料について研究が進められていましたが、次第に、鋼材などにも適用され、脆性破壊以外にも、疲労亀裂の進展や、腐食下での亀裂の進展といったように、破壊現象全般が研究の対象となっていきました。

QJサイエンスの取り組み

 QJサイエンスでは、処分施設の長期健全性評価の一環として、放射性廃棄物の処分場における構成部材について破壊力学解析を行っています。

 処分場で着目すべき構成部材として,鉄筋コンクリートやガラス固化体が挙げられます。鉄筋コンクリートの破砕力学解析は,鉄筋の腐食に伴い,コンクリートにひび割れが生じ,どのように施設の強度が低下していくかシミュレートして解析を行うものです。また,ガラス固化体には高レベル放射性廃棄物が溶け込んでいるため,ガラス固化体の破砕力学解析は,安全評価上,その結果に高い信頼性が求められる解析の1つであると言えます。

ガラス固化体の破砕解析

 放射性廃棄物がガラスに溶かさされて固められたものをガラス固化体と呼びます。このガラス固化体は炭素鋼製材料(オーバーパックと呼ばれる)でパックされて、処分場に定置されますが、時間の経過によってオーバーパックは腐食し始め、膨張や変形が生じます。さらにオーバーパックにひび割れが生じてしまうと、浸潤してくる地下水により放射性核種が漏出(核種移行)し、オーバーパックのバリア機能は喪失したことになります。

 この解析では、オーバーパックの腐食膨張及び変形によって生じるガラス固化体の破砕に対して、FDEM(有限個別要素)法による数値解析を行い、ひび割れの形成過程や表面積の増大の程度を定量的に評価しました。結果は下図のようになり、この手法を用いれば、性能評価上重要な形状変化を算出できることが分かりました。

 

図:ガラスの破砕に関するFDEM解析結果例(2007秋原子力学会予稿集より)

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