ガラスの溶解モデル解析

 ガラス固化体の溶解とそれに伴う核種の溶出は,システム性能を検討する際に行う核種移行解析のソースタームと成り得ますので,ガラス固化体表面や,その近くで生じる様々な現象とそれに影響を及ぼし合う様々な特性について、より現実的なシミュレーションを作成し,信頼性の高い解析評価ができる技術を新たに開発しました。

メゾスケール溶解解析モデル

 ガラス固化体の溶解挙動を評価する上で重要なのは,ガラス表面変質層の構造や形成のメカニズムを理解することです。長期的な溶解挙動の評価においては、保守的な仮定に基づく安全評価モデルとともに、理論的、微視的なアプローチで現象を説明することのできるモデルも併せ持つことで、より信頼性の高い評価ができると考えられます。QJサイエンスでは,この後者のモデルを新たに作ることにしました。

 理論的、微視的なアプローチということで,水溶液中におけるガラス分子の挙動をシミュレートできるように、ナノ~マイクロの微視的なスケール(メゾスケール)で結晶格子を単純化したモデルで表現しました。ガラスを構成する各元素間では結合や解離があるルールに基づいて求められる確率で生じることとし、その空間分布はモンテカルロ法により時間発展させ、その過程では水和、加水分解、ゲル層の生成、といった現象が再現されるようにした上で、溶解・変質挙動をシミュレートしました。(下図は溶解していくガラス結晶格子を可視化したもの。)最終的には、このモデルにより、ガラス表面変質層の成長に伴い、ガラスの溶解挙動が時間の経過と共に低下するという挙動が確かめられました。

図:ガラスの溶解の様子(赤:PbO(5), 黄:PbO(4), 緑:B(4), 青:B(3)を示す。括弧内の数字は結合数。)
(2007秋原子力学会発表スライドより)

関連する論文

/
template joomla